テクトナイト
tectonite
広義には,定向配列を示す内部構造を持った岩石の総称。この場合,すべての岩石はテクトナイトと非テクトナイトとに区分される。狭義には,定向配列が岩石生成後の変形作用に原因のある場合を指し,これを二次テクトナイトまたは変成テクトナイトと呼ぶ。二次テクトナイトはさらに,面状構造の卓越するSテクトナイト,線状構造の卓越するBテクトナイト,およびある種の回転を伴う変形の結果できるRテクトナイトに区分される。これに対して一次テクトナイトといわれるものは,岩石構造の定向配列が火成岩や堆積岩の生成時にできるような初生的な場合である。しかし,堆積物の続成作用でできる定向配列のように,一次,二次のいずれとも決めにくい場合もある。また,変形作用終了後の再結晶作用や鉱物の新生作用でできる定向配列は,一般に既存の構造を強めることが多く,こういうものを模写テクトナイトという。
執筆者:植村 武
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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テクトナイト
tectonite
変形の履歴を反映するファブリックを有する岩石の総称。ファブリックの要素として,面構造(Sと略記)または線構造(Lと略記)が発達し,この二者の発達の程度の違いに基づいき,Sテクトナイト,Lテクトナイト,L-Sテクトナイト(またはL > Sテクトナイト,L < Sテクトナイト)などと分類される。また,テクトナイト組織が発達するマントルかんらん岩を指すことがある。B.Sander(1930)命名。
執筆者:高木 秀雄・石渡 明
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
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岩石学辞典
「テクトナイト」の解説
テクトナイト
造山運動に関与して機械的変成作用を受けて形成された変成岩.千枚岩やブラストミロナイトなどを総括した名称.バックルンドはブラストミロナイトの意味で使用している[Backlund : 1918, 渡辺編 : 1935].岩石が固体のまま流動変形した時に,鉱物の配列方向や構造要素の配列に変形の性質が現れている場合にテクトナイトという.片状構造を持つ広域変成岩.火成岩の流理構造を意味する初生テクトナイト,変成岩を示す二次テクトナイト,既存の構造が再結晶に影響を与える擬テクトナイトなどに分類されることもある[Sander : 1948, Fairbairn, et al. : 1949, 片山ほか編 : 1970].
出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報
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