改訂新版 世界大百科事典 「トルールストラ」の意味・わかりやすい解説
トルールストラ
Pieter Jelles Troelstra
生没年:1860-1930
オランダの政治家。1888年フローニンゲン大学で法律学の学位を得,故郷レーワルデンで弁護士となる。90年社会民主同盟に加わったが,やがて同盟を指導するドメラ・ニーウェンハイスと衝突し,94年同志とともに社会民主労働党(SDAP。現,労働党)を結成して指導者になる。97年下院議員,党機関誌《人民Het Volk》の編集長になり,修正主義の立場をとり議会主義路線を推進した。またドイツ社会民主党と友好関係を結び,第二インターナショナルで重要な地位を占める。反国王,革命への志向が強く,1918年のドイツ革命に際して,オランダにも革命の機が熟していることを訴えた。彼の演説は賛同を得られなかったが,熱心に唱えた普通選挙,1日8時間労働,国家年金などの主張によって労働者階級のあいだの人気は失われなかった。フリース語の詩人,散文家としても知られる。
執筆者:栗原 福也
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報