普通選挙(読み)ふつうせんきょ(英語表記)universal suffrage

  • universal suffrage
  • 普通選挙 universal suffrage

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

身分財産納税額,学歴性別民族などにかかわらず,国籍を有する成年全員の選挙権被選挙権を認める選挙制度。今日多くの国において実施されている。歴史的に,選挙権は特権階級から成年者全体へと漸進的に拡大していった。日本では 1890年から衆議院議員選挙法に基づき納税額によって選挙権を認める制限選挙が行なわれていたが,1925年改正衆議院議員選挙法(普通選挙法)が成立し,満 25歳以上の男子全員に選挙権が与えられた。昭和初期に女性参政権を求める運動が高まったが,男女が平等に参政権を得たのは,第2次世界大戦後の 1945年衆議院議員選挙法の改正によってであった。同時に選挙権年齢も 20歳に引き下げられた。1946年に公布された日本国憲法15条は,成年者による普通選挙の実施を保障している。1950年衆議院議員選挙法と参議院議員選挙法に代わって公職選挙法が成立し,今日では同法に基づいて普通選挙が実施される。近年は選挙権年齢を 18歳とする国が増えており,日本でも 2015年,18歳以上に選挙権を与える改正公職選挙法が成立した。(→選挙

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デジタル大辞泉の解説

身分・性別・教育・信仰・財産・納税額などによって制限せず、国民に等しく選挙権を認める選挙制度。日本では、大正14年(1925)に男子について普通選挙制が実現し、婦人については第二次大戦後の昭和20年(1945)に実現した。普選。→制限選挙

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百科事典マイペディアの解説

一定の財産,納税,教育,信仰等を選挙権要件としない選挙。制限選挙に対する。近代初頭には,各国とも制限選挙を採用したが,20世紀に入ってからの普選運動の高まりとともに男性の普通選挙が各国に普及し,その後婦人参政権運動が起こって女性も含めた普通選挙制が実施されるようになった。日本では1925年の選挙法改正によって1928年男性の普通選挙が実施され,第2次大戦後の1945年に女性の参政権も認められるようになった。
→関連項目革新倶楽部加藤友三郎内閣参政権社会民主党鈴木喜三郎選挙大衆政党大衆民主主義田中義一内閣帝国議会日本婦人参政権獲得期成同盟会普通選挙法山川イズム吉野作造労農党

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世界大百科事典 第2版の解説

狭義には,選挙権について,納税または財産の所有のような経済的要件による制限を認めない選挙制度をいうが,広義には,社会的地位,財産,納税,教育,信仰,人種,性別などによって選挙権を制限せず,成年の男女に等しく選挙権を認める制度をいう。普通選挙に対して,上述のような制限を伴った選挙を制限選挙という。狭義の普通選挙は,財産をもたない労働者階級の登場とその政治的自覚の高まりによって強く要求され,19世紀中ごろから普通選挙を実施する国が現れはじめた。

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大辞林 第三版の解説

身分・教養・財産などによって制限を設けず、一定の年齢に達した者全員が平等に選挙権・被選挙権を有する制度。日本では1925年(大正14)の衆議院議員選挙法改正で、初めて男性につき実現し、女性については第二次大戦後の45年(昭和20)に認められた。普選。 ⇔ 制限選挙普選運動

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

財産、収入、教育、社会的身分、人種、性別などにより選挙資格を制限することなく、国民に等しく選挙権を認める選挙制度をいい、現代の選挙法の基本原則である。制限選挙の反対語。近代の初期までは、財産・収入などによる制限選挙が行われてきたが、労働者階級の台頭、民主主義の進展に伴い、19世紀中葉より、財産・収入による制限の撤廃を内容とする男子普通選挙が一般的となった。その最初は1848年のフランスにおいてである。性別による制限の撤廃を含む普通選挙は、第一次世界大戦後、アメリカ、ドイツなどの諸国で実施され、第二次大戦後、世界の大勢となった。わが国では、1925年(大正14)に衆議院議員選挙が、翌年に地方議会議員選挙が男子普通選挙制となり、婦人の参政権が認められたのは1945年(昭和20)改正選挙法によってである。現行憲法は、公務員の選挙について、成年者による普通選挙を保障している(憲法15条3項)。[三橋良士明]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 すべての成年者に選挙権、被選挙権を与える制度。財産・教育・性などによって選挙権、被選挙権を制限する制限選挙に対するもの。日本では、財産による制限は大正一四年(一九二五)、性別による制限は昭和二〇年(一九四五)に除かれた。被選挙権は参議院議員、知事三〇歳、その他二五歳以上。普選。〔改訂増補哲学字彙(1884)〕

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旺文社世界史事典 三訂版の解説

社会的身分・財産・性別などによる条件を付さず,すべての成年者に等しく選挙権を与える選挙制度
19世紀後半に女性参政権運動が起こり,成年女子が選挙権を獲得するようになるまでは,普通選挙という場合,一般には成年男子に限る(universal manhood suffrage)ことが多かった。この男子普通選挙の最初は1848年のフランスで,女性の普通選挙権は欧米では第一次世界大戦,その他の国ぐにでは第二次世界大戦以後のこととなる。

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世界大百科事典内の普通選挙の言及

【選挙】より

… 選挙制度の改革は,議会に送られる代表者がより広範な基盤に立って選出されることを目ざして進行した。19世紀では有権者が財産や納税額の多寡により制限された選挙であったが,制限はしだいにゆるめられて,20世紀に入り男子普通選挙,さらに婦人参政権の確立となった。イギリスでは1832年の選挙法改正により腐敗選挙区が廃止され,67年の改正では都市労働者に,84年には農業および鉱山労働者に選挙権が与えられ,1918年には男子普通選挙制となり,同時に一部の婦人にも参政権が認められた。…

※「普通選挙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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