ドイツ電子シンクロトロン研究所(読み)ドイツでんしシンクロトロンけんきゅうじょ(その他表記)Deutsches Elektronen Synchrotron; DESY

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ドイツ電子シンクロトロン研究所
ドイツでんしシンクロトロンけんきゅうじょ
Deutsches Elektronen Synchrotron; DESY

ドイツ連邦共和国(西ドイツ)政府とハンブルク市が協力して,1959年に設立した素粒子物理の研究所。1964年に完成した電子シンクロトロンのほか,電子陽電子を正面衝突させる貯蔵リングとして 1974年に完成した DORISと 1978年末に完成した PETRAを,1992年には陽子・電子貯蔵リング HERA(820GeVの陽子加速器と 30GeVの電子・陽電子加速器)をもち,次々に重要な成果を上げている。日本の東京大学グループも国際協同実験に参加している。素粒子の基本的性質の研究のほか,電子シンクロトロンによる放射光で,表面物理,材料科学,化学,分子生物学,医学などの研究を行なっている。なお,ツォイテンにある分室はドイツ民主共和国(東ドイツ)の研究所が東西ドイツの統一に伴って DESYに合流したもので,加速器はなく,理論研究に加えて DESYの HERA,ヨーロッパ原子核研究機関 CERN大型ハドロン衝突型加速器 LHCによる実験,南極のニュートリノ実験などに参加している。

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