ドナウ委員会(読み)ドナウいいんかい(英語表記)Danube Commission

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドナウ委員会」の意味・わかりやすい解説

ドナウ委員会
ドナウいいんかい
Danube Commission

ドナウ川航行の管理と開発を目的とした国際委員会。 1856年のパリ条約によってドナウ川全流域に対する沿岸委員会と下流地域だけを管理するヨーロッパ委員会が設置されたが,前者はほどなく消滅した。第1次世界大戦後の 1921年ベルサイユ条約で新たに国際委員会が設置され,同委員会はドイツのウルムからルーマニアブライラまでを,ヨーロッパ委員会はブライラから黒海までをそれぞれ管理することとなった。国際委員会は各沿岸国とイギリス,フランス,イタリア各国委員,ヨーロッパ委員会はルーマニアとイギリス,フランス,イタリア各国の委員によって構成され,これによりドナウ川は世界各国の船舶に平等に開放される国際河川となった。第2次世界大戦後の 48年8月にソ連を含めた共産圏7ヵ国が「ドナウ川航行制度に関する条約」を締結,非沿岸国を排除したドナウ委員会をルーマニアのガラツに設置したが,西側諸国はこの措置を承認しなかった。その後 60年1月7日にオーストリア加盟,また 57年以降同委員会の招待により西ドイツ運輸省の専門家が必要に応じ委員会の各種事業に参加するようになった。

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