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国際河川(読み)こくさいかせん(英語表記)international river

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

国際河川
こくさいかせん
international river

複数国の領域を貫流し,あるいは複数国の国境を流れて海との交通が可能な河川で,沿河国 (riparian countries) 同士,あるいは沿河国と非沿河国が条約を結んで,沿河国のみならず非沿河国の船舶にも通航を認めたものをいう。河川は本来所在国の内水であり,外国船舶の通航を認める義務はない。しかし複数国を貫流し,あるいは国境を流れて海に注ぐ河川に関しては,船舶の自由な通航を認めることが通商上望ましい。そこで条約によって外国船舶の通航を認めることが古くから行われてきた。 1815年のウィーン会議最終議定書は,ヨーロッパの諸河川は沿河国の条約によって自由航行を認めるべきことを宣言し,その後ラインダニューブ (ドナウ) ,エルベ川などの国際河川化が実現した。 1921年には「国際的利害関係ある可航水路に関する条約」 (バルセロナ条約) が締結され,国際河川に関する一般的なルールが定められた。

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デジタル大辞泉の解説

こくさい‐かせん【国際河川】

数か国の領域を貫流し、または国境となっている河川で、条約によってすべての国に航行の自由が認められているもの。ドナウ川ライン川など。

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百科事典マイペディアの解説

国際河川【こくさいかせん】

通常,国家間の国境を形成し,または複数国の領土を貫流するもので,条約によって所在国の権限が制限され,他国船舶が自由に航行できる河川。条約加盟国または沿岸国だけに利用を認めるものと非加盟国または非沿岸国にも開放するものとがある。ドナウ川,ライン川などは後者に属する。1921年一般的な国際河川条約が締結された。

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世界大百科事典 第2版の解説

こくさいかせん【国際河川 international river】

国際河川については,一般的な条約がある。それは,1921年にバルセロナで締結された〈国際関係を有する可航水路の制度に関する条約〉(通称,国際河川条約)と,これに付属する国際河川規程である。後者によれば,数ヵ国の境界を構成し,または,数ヵ国を貫流する河川であって,海へ,または,海から自由に航行できるものについては,他の条約当事国の船舶に対して自由に航行を許す。このような河川が,国際河川である。河川はもともと内水の一部であるから,領域国は,これを外国船舶の通航に開放すべき義務を負わない。

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大辞林 第三版の解説

こくさいかせん【国際河川】

数か国の国境となったり、また数か国を貫流する河川で、条約によって諸国の船舶の自由航行が認められているもの。ドナウ・ライン・エルベなどの河川。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

国際河川
こくさいかせん
international river

川の流域が複数の国に及ぶ水路を国際河川という。国はその領土に接する川の部分を領域として管轄する。流域国は国際的な合意によって、国際河川の航行および航行以外の利用について相互に協力することを求められている。ライン川などヨーロッパの若干の河川は、19世紀以来商業用航洋船舶の航行に開放されてきた。1921年に国際関係を有する可航水路の制度に関するバルセロナ条約と規程が採択され、海洋へおよび海洋から航行できる水路は、通商・交通の自由のためにすべての商船の航行に開放されるとの原則が定められた。沿河国は、通航船舶および積み荷に対して、水路とその施設の維持・改良費の範囲を超えて課徴金を課してはならないとされた。その後、約半世紀を経て灌漑(かんがい)、水力発電、飲料水など、川の水の利用が増大し、また廃水などによる河川水の汚染の防止が緊要な課題となった。国連総会は国際法委員会の報告をもとに、1997年5月27日に「国際水路の非航行的利用の法に関する条約」(「国際水路の非航行的利用条約」)を採択した。この条約によれば、(1)流域国はその流域内において河川を衡平かつ合理的な方法において利用し、他の国に重大な害を与えないよう相当の注意を払う、(2)国は河川水の有害な汚染を防止し、国際河川の生態系を保護し保全する義務を負う、(3)国際河川の管理は、河川ごとに設けられる国際河川委員会を通じて行われる、とされている。[中村 洸]
『地球環境研究会編『地球環境条約集 第4版』(2003・中央法規出版) ▽大沼保昭・藤田久一編『国際条約集 2003年版』(2003・有斐閣)』

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