改訂新版 世界大百科事典 「ドノー」の意味・わかりやすい解説
ドノー
Hugues Doneau
生没年:1527-91
フランスの法学者。ラテン名はドネルスHugo Donellus。シャロン・シュル・ソーヌで法律家の家に生まれる。トゥールーズで法学を学んで,ブールジュでアルチャートの弟子デュアレンFrançois Duaren(1509-59)の指導下に学位を取得。オルレアン大学で教えたあと,1551年からブールジュ大学の教授。1572年サン・バルテルミの虐殺が起き,プロテスタント(カルバン派)のドノーはジュネーブに逃れる。その後ハイデルベルク,ライデン,アルトドルフ各大学で教授をつとめ,アルトドルフに没した。人文主義法学の代表者のひとりであるが,キュジャスに比してはるかに解釈学的であり,ローマ法大全の釈義的研究を手がかりに,その体系的な再編成を企てた。主著は《ローマ法注解Commentarii juris civilis》5巻(1589-95)。
執筆者:佐々木 有司
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報