ブールジュ(読み)ぶーるじゅ(英語表記)Elémir Bourges

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブールジュ」の意味・わかりやすい解説

ブールジュ
Bourges

フランス中部,シェール県の県都。ロアール川支流,シェール川中流部のベリー運河に臨む。ゴシック建築として高く評価される聖エティエンヌ大聖堂(→ブールジュ大聖堂)を中心に発展。前52年ユリウス・カエサルにより征服され,3世紀にキリスト教に教化され,のちにカルル1世大帝)によりアキタニアの首都となった。百年戦争下の 1422~37年にはシャルル7世居城が置かれ,イングランドに対する抵抗の拠点となった。1463年にはルイ11世が大学を創設したが,この大学はフランス革命期に廃止された。近世に入り,1839年のベリー運河の開通,鉄道敷設に伴ってさらに発展し,今日では製鉄,兵器,機械,タイヤ製造,食品などの工業が行なわれる。ヒツジウシ穀物,ワインなどの取り引きも盛ん。ジャック・クールの館(15世紀)や旧大司教館(17世紀)などの有名な建築がある。人口 7万1000(2005推計)。

ブールジュ
Bourges, Élémir

[生]1852.3.26. マノスク
[没]1925.11.13. パリ
フランスの小説家。ワーグナーの影響を強く受け,マラルメと接した以外,いかなる文学上のグループにも属さず,当時の自然主義文学とは無縁の創作活動をした。ドイツの一貴族の没落を描いた『神々のたそがれ』 Le Crépuscule des dieux (1884) をはじめ,『斧の下』 Sous la hache (83) ,『鳥は飛立ち花は散る』 Les Oiseaux s'envolent et les fleurs tombent (93) ,プロメテウス神話を扱った大作『舟』 La Nef (1904,22) など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブールジュ」の意味・わかりやすい解説

ブールジュ(フランス)
ぶーるじゅ
Bourges

フランス中部、シェル県の県都。パリ南226キロメートル、イエーブル川とオロン川の合流部にある。人口7万2480(1999)。ベリー地方の最大都市で歴史上の中心地。穀物、ブドウ、ヒツジの取引が行われる。建築美術の都で、市役所の庭園に接するゴシック様式サンテティエンヌ大聖堂(12世紀の地下室、13世紀のステンドグラスがある)、15世紀のジャック・クール宮殿、16世紀のキューヤス館(考古学資料を集めるベリー博物館となっている)、ルネサンス風のラルマン館などが有名である。兵器工場があるほかタイヤ製造も行われる。古代にはアバリクムAvaricumとよばれ、ガリアの一部族ビチュリゲス・キュビの根拠地であった。中世には交易の中心地となった。百年戦争中はシャルル7世の居所であった。1438年ブールジュの勅令の発令地。

[大嶽幸彦]


ブールジュ(Elémir Bourges)
ぶーるじゅ
Elémir Bourges
(1852―1925)

フランスの小説家。マノスクの生まれ。1874年パリに出、81年『秀作評論』を創刊、また『ル・ゴーロア』紙、『両世界評論』などに寄稿。第一作は新聞小説『斧(おの)の下に』(1883、初出は『斧に触るな』)。『神々の黄昏(たそがれ)』(1884)はドイツ名門の衰亡を、『弟子』(1887)は思想家の教師としての倫理的責任を、『鳥は飛びたち花は散る』(1893)は宿命に巻き込まれる王族を、『身廊』La Nef(第一部1904、第二部1922)は人間の宿命との闘いをそれぞれ描いている。1900年からアカデミー・ゴンクール会員。

[遠山博雄]

『中島廣子・山田登世子訳『神々の黄昏』(1985・白水社)』

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