…地方政権の分立したこの時代にはまた,各地で地方語が発達し,文学や美術の分野で特色ある地方文化が興っている。
[南インドの歴史と文化]
ドラビダ人の住む南インドには,すでに前3世紀のアショーカ王の時代にいくつかの独立国家が存在していた。その後もドラビダ人は,北インドから伝わった諸制度を採用しつつ,大小多数の王国を建設してきた。…
…顔つきや頭型,脳容量の小さいこと(現生人類で最小の1250cc)などでオーストラリア人種と似ているが,低身長,体毛もひげもない点が異なる。インドの広鼻ドラビダ人は,ベッダとメラノ・インド人との混血らしく,ベドイド(類ベッダ)亜人種と呼ばれる。南ベドイドは少数であるが,デカン半島北部森林の北ベドイドは数百万の人口を擁する。…
…インド・スキタイ系民族のジャート族の場合は男女の隔離がさらに厳しく,バイタク(男用)とガル(女用)と呼ばれる2軒の家に分離される。南インドには先住民族のドラビダ人が多いが,彼らには両性の隔離の原則がない。住居は入口の両脇にピアルと呼ばれる小さな壇をもち,これは男女に共用される。…
※「ドラビダ人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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