日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドルーリー・レーン劇場」の意味・わかりやすい解説
ドルーリー・レーン劇場
どるーりーれーんげきじょう
Drury Lane Theatre
イギリスでもっとも長い伝統のある劇場。ロンドンの劇場街ウェスト・エンドにある。名称は16世紀にこの地にあった大邸宅に由来する町名からきている。1663年開場。一度解体、二度焼失後、1812年に新築された第四次の劇場が現在に及んでいる。近隣のコベント・ガーデン王立歌劇場とともに、開場以来1843年まで勅許劇場として演劇上演の独占権をもち、デイビッド・ギャリック、ジョン・フィリップ・ケンブルとその姉シドンズ夫人、エドマンド・キーンなど数多くの名優の舞台となった。その後は、スペクタクル的演出とメロドラマに新生面を開拓、1920年代からはミュージカル専用劇場として新しい地歩を築くことになった。
[中野里皓史・大場建治]
『大場建治著『ロンドンの劇場』(1975・研究社出版)』