日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナリンジン」の意味・わかりやすい解説 ナリンジンなりんじんnaringin ナツミカンなどの柑橘(かんきつ)類の未熟な果実、外皮などに含まれる苦味物質。有機化合物のフラバノン配糖体で、ベンゼン環を2個もつ構造をしている。柑橘類の苦味は特有の風味であるが、多すぎると非常に苦く味を損なう。グレープフルーツ、ナツミカンなどの内袋に多く、果汁やシロップ漬け缶詰、マーマレードなどに加工するときに苦味が入り、ときには味覚上問題となる。そのため、ナリンジンを分解する酵素、ナリンジナーゼnaringinaseが苦味取りに利用されている。[河野友美・山口米子] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例