苦味(読み)クミ

精選版 日本国語大辞典 「苦味」の意味・読み・例文・類語

にが‐み【苦味】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「み」は接尾語。後に「あじ」を意味する「み(味)」の意識が加わった )
  2. ( 苦いと感じ気持から転じて ) 不愉快な心持。つらい心情。
    1. [初出の実例]「こしがいたく候などとてにかみにて候」(出典:言継卿記‐大永八年(1528)二月一一日紙背(女房消息))
  3. 味の苦いこと。また、その度合。にがさ。
    1. [初出の実例]「nigami(ニガミ)ヲバ ハヤ キミノ アジワイハタシタモヲモッテ」(出典バレト写本(1591))
  4. 男の顔や気持についていい、渋さを含んだひきしまった感じ。柔弱でない、人生の深淵を知っているようなきびしさ。
    1. [初出の実例]「うやうやしく、にがみ有て」(出典:葉隠(1716頃)一)

く‐み【苦味】

  1. 〘 名詞 〙 にがい味。にがみ。転じて、物事の持っている、または、物事から受ける、そのような感じ。
    1. [初出の実例]「彼の性情は酸味苦味(クミ)がない」(出典:夫婦(1904)〈国木田独歩〉六)
    2. [その他の文献]〔管子‐幼官〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「苦味」の読み・字形・画数・意味

【苦味】くみ

にがみ。

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