翻訳|marmalade
柑橘類の果皮と果汁に糖類を加えて加熱し、ゼリー状にしたもので、ジャムの一種。JAS(ジャス)(日本農林規格)では、ジャム類のうち、柑橘(かんきつ)類の果実を原料としたもので、柑橘類の果皮が認められるものと規定されている。欧米でも一般には柑橘類が多いが、とくに材料に決まりはなく、リンゴ、モモなどの果実からもつくられる。マーマレードとは、元来、マルメロという果物を用いたところからついた名称である。
マーマレードをつくるときのペクチン、酸、糖の関係はジャムの場合と同様で、三者が適量ずつあわさったとき、とろりとした状態になる。柑橘類の皮にはペクチンが多く含まれていてとろりとするのに一役買っているが、不足する場合は、ペクチンパウダーを添加することもある。通常はオレンジマーマレードが多いが、レモン、グレープフルーツ、ナツミカン、キンカン、ポンカンなどでもつくられる。
製法は、原料果実の果肉を絞って果汁をとり、濾過(ろか)する。外皮は内側の白い部分を除いて刻み、蒸煮(じょうしゃ)して水にさらし苦味を抜く。果汁を絞った残りの内果皮と、外果皮から除いた白い部分を酸液(クエン酸)で蒸し煮して濾過し、粗ペクチン液をつくる。果汁、外皮、粗ペクチン液をあわせ、糖類を加えて加熱・濃縮する。粗ペクチン液のかわりに粉末ペクチンを用いることもある。普通のジャムに比べ、甘味とともにほろ苦味がある。パンなどに塗るほか、各種菓子の副材料としても用いられる。
[河野友美・大滝 緑]
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…果実はイチゴ,カラント,ラズベリー,グーズベリー,リンゴ,アンズ,モモ,イチジク,ブドウ,サクランボなどを用いる。マーマレードmarmaladeは,かんきつ類のジャムで,果肉と薄片の果皮を含むものをいい,ギリシア語で〈蜜のリンゴ〉の意のメリメロンmelimēlonから派生したポルトガル語マルメラーダmarmelada(マルメロの砂糖煮)を語源とする。通常はオレンジ・マーマレードを指し,ライム,レモン,グレープフルーツ,ナツミカンなどでもつくられる。…
※「マーマレード」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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