ニニブ(その他表記)Ninib

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニニブ」の意味・わかりやすい解説

ニニブ
Ninib

バビロニア=アッシリア神話の神。大気の神エンリルの長子。旺盛な行動力をもち,春の太陽神マルドゥクに対し,彼は夏と日中の太陽の神である。アッシリア時代には戦いと狩りの神でもあった。太陽神としての性格のほかに,医術の神でもあったが,これは彼の妻の一人グラが医術の女神であったためらしい。人類が創造された頃,人間が多くなったので神々は彼らを滅ぼそうと企てた。エアがそのたくらみを知って1人の人間に箱舟を造らせ,神々が攻撃を開始したとき,その舟に生物を乗せて全滅を防いだ。そのとき,ニニブも神々のなかに混って舟を襲ったという。彼にはニンギルス,アダル,エヌルタの異名がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android