ニニブ(その他表記)Ninib

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニニブ」の意味・わかりやすい解説

ニニブ
Ninib

バビロニア=アッシリア神話の神。大気の神エンリルの長子。旺盛な行動力をもち,春の太陽神マルドゥクに対し,彼は夏と日中の太陽の神である。アッシリア時代には戦いと狩りの神でもあった。太陽神としての性格のほかに,医術の神でもあったが,これは彼の妻の一人グラが医術の女神であったためらしい。人類が創造された頃,人間が多くなったので神々は彼らを滅ぼそうと企てた。エアがそのたくらみを知って1人の人間に箱舟を造らせ,神々が攻撃を開始したとき,その舟に生物を乗せて全滅を防いだ。そのとき,ニニブも神々のなかに混って舟を襲ったという。彼にはニンギルス,アダル,エヌルタの異名がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android