デジタル大辞泉
「エア」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
エア
- 〘 名詞 〙 ( [英語] air )[ 異表記 ] エヤ・エアー・エヤー 空気。大気。また、空中。航空。単独で用いられるときは、工業関係で用いられる(圧縮)空気を指すことが多い。〔舶来語便覧(1912)〕
- [初出の実例]「ノッチを入れれば、子供やって電車は動くし、エアを入れれば子供やってとまるんやさかいな」(出典:美しい女(1955)〈椎名麟三〉三)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
エア
Ayr
イギリス,スコットランド南西部,サウスエアシャーの行政府所在地。クライド湾に臨み,エア川の河口に位置する。1202年勅許都市となり,中世にはスコットランド西岸の主要港として発展。北のクライド川沿岸諸港の発展に伴って主要港としての地位を失ったが,19世紀に入ってスコットランドの上流階級のための海浜保養地となり,重機械,金属,繊維などの工業もこの時期に始まった。今日では電子機器,肥料,食品加工などの工業が主。海水浴場や競馬場があり,大衆的な保養地としてにぎわい,また商業中心地,漁港,石炭積出港としても重要。南郊のアロウェーはスコットランドの国民詩人ロバート・バーンズの生地で,生家と博物館がある。人口 4万6120(2004推計)。
エア
Eyre, Edward John
[生]1815.8.5. ヨークシャー,ホーンシー
[没]1901.11.30. デボン,タビストック近郊
イギリスの探検家,植民地行政官。特にオーストラリアの探検に大きな足跡を残した。 1833年オーストラリアに移住,同大陸の本格的な探検を行なった。 36年より始った南オーストラリア植民地の開拓の事業に関連して,その中心であるアデレードの方面より探検の歩を進め,39年エア湖,トレンズ湖などを「発見」。その翌年には南西部の沿岸地方を探検してストリーキー湾に向い,さらに海岸に沿い西方の砂漠を越えてオールバニに達し,この地方が不毛の大原野であることを確認した。その後,ニュージーランド (1846~53) ,西インド諸島 (54~60) ,ジャマイカ (61~66) の行政官を歴任。ジャマイカの行政官在任中の 65年反乱の鎮圧で 400人以上を処刑し,本国に召還された。 J.S.ミル,H.スペンサーらは,彼の処置を殺人として糾弾し,A.テニソンは彼を弁護した。結局彼は有罪とされるにいたらなかった。
エア
Ea
バビロニアの神。シュメール地方ではエンキと呼ばれる。エアという名は「水の家」を意味する。アヌ,エンリルとともにバビロニア・パンテオンの三体一座をなす水神。地底の大洋アプスの支配者で知恵,豊穣,医術,芸術,彫刻を司る。そのため,大工,石工,貴金属細工師の保護神とされる。人類の友であり,神々が大洪水を起したときは,ウトナビシュチムに方舟を造らせて人間を救った。女神バーウーの息子でマルドゥクの父。妻はダムキナとベリット。聖所はエリドゥにあり,魚の尾をもつやぎで象徴された男や肩から水をふき出す男,あるいは手に瓶を持つ男の姿で表現された。
エア
Ayr
オーストラリア,クイーンズランド州北東岸,タウンズビル南東 98kmにある都市。バーデキン川下流デルタの灌漑によるサトウキビ栽培地帯の中心地。川の南岸にホームヒルの町がある。人口 8639 (1986) 。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
エア
Ayr
イギリス,スコットランド南西部の港町。人口5万(1981)。エア川(Ayrは〈流れの急な清流〉を意味するゲーリック語arから派生)の南岸に位置する。スコットランドの国民詩人ロバート・バーンズは5km南のアロウェーAllowayの出身で,彼の歌った13世紀の〈古橋Auld Brig〉は今も残っている。クライド川地域にとって代わられるまで中世を通じて西部沿岸の主要港湾であった。1840年,グラスゴーとの間に鉄道開通。そのころまでに,商工業の中心地のひとつとなっていた。海岸保養地であるが,機械製造,製靴業なども立地する。
執筆者:山内 久明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
エア(イギリス)
えあ
Ayr
イギリス、スコットランド南西部の港湾都市。人口4万8400(2002推計)。グラスゴー南西50キロメートル、クライド湾に臨む海岸保養地。港から石炭を積み出し、化学、製材、造船、羊毛工業が行われる。スコットランドの詩人ロバート・バーンズの生地で、彼の作品『シャンタのタム』で有名な居酒屋は博物館として修復されている。スコッチウイスキーの「カティー・サーク」は船の名だが、その語源はこの物語に登場する魔女の着た短いシャツを意味するゲール語に由来する。北7キロメートルにプレストウィック国際空港がある。
[米田 巌]
エア(バビロニア神話)
えあ
Ea
バビロニア神話の水神。もとはシュメールの神であったが、のちにセム人の間でも尊崇されるようになり、しばしばエンキと同一視された。エアは知恵をつかさどる神とみなされ、南メソポタミアのエリドゥにあった神殿エ・アブズ(深淵(しんえん)の住まいの意)が崇拝の中心地であった。また天神アヌ、および大地の神エンリルらとともにシュメール、バビロニア宗教において最上位の神とされ、多くの宗教や神話文書に言及されている。人間の創造者であり、また『ギルガメシュ物語』の大洪水説話にみられるように、しばしば人間を救うものであった。
[矢島文夫]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
エア[湖]【エア】
オーストラリア,サウス・オーストラリア州北東部の広大な盆地中の塩湖。湖面は海面下約9m。通常は干上がっており,水面が見られた記録は過去数回しかない。総面積8900km2(季節により大きな変動あり)。
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
世界大百科事典(旧版)内のエアの言及
【エンキ】より
…同時に知恵と呪法の神,創造の神,シュメールの宇宙と社会の諸規則の管理者でもあった。バビロニアのエアEaに当たる。その妻はダムガルヌンナ(ダムキナ)で,アサルルヒ([マルドゥク])はその子,ナンシェはその娘。…
【水神】より
…トロイア人がスカマンドロス川Skamandrosの聖なる力を信仰し,牛や馬を供犠として深みに投じたことや,ガンガー(ガンジス川)が清浄力をもつとされ,古代から現代にいたるまで沐浴する者が後を絶たず,遺骨が投棄されることはよく知られている。水を支配・統御する独立の神(霊)として有名なものにシュメールの水神エンキ(バビロニアではエア),アッカドにおける雨の神としてのアダドまたはハダド,エジプトのナイル川を支配する神のハピHapi,さらに,ギリシアの海洋神ポセイドン,ローマの海神ネプトゥヌス,インドをはじめ日本も含むアジア各地で崇拝されている水神ナーガNāga=竜神などがある。水神のパンテオン(万神殿)における地位と力は民族,社会によって異なるが,ところによっては高い地位と影響力をもつことがある。…
【歌曲】より
…比較的小規模で,抒情的にまとまった気分をもつ声楽曲の形式。ドイツ語でリートLied,フランス語でメロディmélodie(またはシャンソンchanson),英語でソングsong(またはエアayre∥air)と呼ばれるものが,それに当たる。歌曲は,歌詞のもつ文学的な気分が音楽的表現によって高められて〈うた〉となり,音楽的に完結した独自の小形式が形づくられるところに特色がある。…
※「エア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」