ヌジ遺跡(読み)ヌジいせき(英語表記)Nuzi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヌジ遺跡」の意味・わかりやすい解説

ヌジ遺跡
ヌジいせき
Nuzi

前2千年紀の中頃に栄えたメソポタミアの都市遺跡。現在のヨルガンテペ。バグダードの北 240km,キルクークの南西約 13kmに位置する。前 15~14世紀頃ミタンニ王国のもとにフルリ人の町として栄えた。 1925~31年アメリカの E.キエラ,M.スタールらによって調査された。アッカド時代にはガアスルと呼ばれていたが,ミタンニ王シャウシャタルの時代 (前 15世紀) にヌジと呼ばれるようになった。ここからフレスコ画のある王宮,メソポタミア風の住居,墓が発掘され,アッカド語で書かれた法律,経済文書など当時の風俗習慣を伝える数千の粘土板が出土している。これらのヌジ文書は特に旧約聖書の背景を明らかにする貴重な資料である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android