ミタンニ王国(読み)ミタンニおうこく(英語表記)Kingdom of Mitanni

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミタンニ王国」の意味・わかりやすい解説

ミタンニ王国
ミタンニおうこく
Kingdom of Mitanni

前 16~14世紀に北メソポタミアに建国されたフルリ人の王国。ユーフラテス川の支流ハブル川上流のワシュカンニを首都として,イラン高原北西部から北メソポタミア,北シリアにかけて大きな勢力を及ぼした。王名や神名から判断して,支配階級はインド=アーリア語派であった。アッシリアを長く支配下にとどめ,エジプトとは当初争いを繰り返したが,やがて政略結婚による両国間の友好関係が長く維持された。アマルナ文書には,エジプトのイクナートンに宛てたミタンニ王の書簡が残っている。しかし前 14世紀ヒッタイトの王シュッピルリウマシュ1世に侵入され,首都も陥落して王国の西半分はヒッタイト領となり,残った王国領 (ハニガルバトと改称) もヒッタイトの朝貢国となった。このときアッシリアが独立して王国の東部を支配下に置き,前 13世紀のヒッタイトとアッシリアの争いにハニガルバトはヒッタイトを助けたため,以後アッシリアの臣従国となり,独立運動も失敗して国土は破壊され,人民は他の地方に強制移住させられ,ハニガルバトはアッシリアの属州となり,ミタンニ王国は滅亡した。

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