ヌジ(その他表記)Nuzi

改訂新版 世界大百科事典 「ヌジ」の意味・わかりやすい解説

ヌジ
Nuzi

イラク北東部,キルクークの南西約16kmにある遺跡。現在名ヨルガン・テペYorghan Tepe。ただしこの地がヌジと呼ばれたのは前15~前12世紀のことで,前3千年紀後葉にはガスールGasurと呼ばれていた。1925-31年,おもにアメリカの考古学者により発掘され,数千枚のフルリ語混じりのアッカド語で書かれた粘土板文書が出土した。これらの文書を残した時代(前15世紀)のヌジはアラプハ王国の一都市で,ミタンニ王国の支配下にあり,かなりのフルリ人人口を擁していた。文書は,フルリ人の言語宗教,社会慣習などを知るための貴重な史料である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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