ぬれぬれ(読み)ヌレヌレ

デジタル大辞泉 「ぬれぬれ」の意味・読み・例文・類語

ぬれ‐ぬれ

[副]
水に濡れるさま。また、濡れたようにつややかなさま。
「色のまだ―と紅な、お千世の唇を放して」〈鏡花・日本橋〉
粘液状のものがついているさま。
「くだんの馬の足に土つきて、―とある事たびたびにおよびける時」〈著聞集一一

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精選版 日本国語大辞典 「ぬれぬれ」の意味・読み・例文・類語

ぬれ‐ぬれ

  1. 〘 副詞 〙 ( 「ぬれぬれ(濡濡)」と同語源か。多く「と」を伴って用いる )
  2. 粘液状のものがついてべっとりとしているさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「件の馬の足に土つきて、ぬれぬれとある事」(出典:古今著聞集(1254)一一)
  3. 濡れたようにつややかなさま、なめらかにつやのあるさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「そのかたち尋常に、耳のあたりぬれぬれと色白く」(出典:御伽草子・のせ猿草紙(室町末))
  4. 恋情がこもってべたつくようなさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「あまりしたるく ぬれぬれと しほたれたるも きにあはず」(出典:若衆短歌(1502頃))

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