ネグレリア・フォーレリ(読み)ねぐれりあ・ふぉーれり(その他表記)Naegleria fowleri

知恵蔵mini 「ネグレリア・フォーレリ」の解説

ネグレリア・フォーレリ

寄生アメーバ一種で、原発性アメーバ性髄膜脳炎を引き起こすアメーバの学名である。日本では「フォーラー・ネグレリア(Fowler - Naegleria)」が正式名とされている。河川湖沼、温泉等の淡水に生息しており、水温26度以上になると活性化し、25~35度くらいの温かい水を好む。人には温度の高い淡水での遊泳によって感染し、鼻から体内に侵入して脳に到達する。原発性アメーバ性髄膜脳炎は感染から4日~1週間程の潜伏期間の後、発症すると発熱・悪寒・頭痛、激しい嘔吐(おうと)を引き起こし、意識が混濁して発症からわずか10日あまりの短い期間で死に至る。日本での感染例は1例のみで、1996年に佐賀県の女性が感染し、発症から9日目に死亡している。

(2016-7-12)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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