日本大百科全書(ニッポニカ) 「ネスキオ」の意味・わかりやすい解説 ネスキオねすきおNescio(1882―1961) オランダの小説家。本名J・H・F・グルーンロー。筆名はラテン語で「私は知らない」の意。皮肉たっぷりな自叙伝風の短編集『小さな暴君たち』(1915)、『小詩人』(1918)は、彼を知る小範囲の人々に高く評価された。死の直前に出版された『谷の上で』(1961)は、折々の印象をスケッチした随筆的短編集で、これによって一躍有名になり、一般に認められるようになった。40年間の作家生活にあって作品数はわずかであるが、オランダの自然を愛したもっともオランダ的な短編作家の第一人者として、近年高く評価されている。[近藤紀子] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例