日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノボジェービチー修道院」の意味・わかりやすい解説
ノボジェービチー修道院
のぼじぇーびちーしゅうどういん
Новодевичий Монастырь/Novodevichiy Monastïr'
モスクワにあるロシア正教会の修道院。16世紀にモスクワ大公ワシリー3世Vasilii Ⅲ(1479―1533、在位1505~1533)によって、スモレンスク奪回を記念して建立された。モスクワ川岸に建ち、全長1キロメートルにも近い城壁、スモレンスキー聖堂、ポクロフスキー聖堂、鐘楼などを有す。皇族・貴族の娘がここに修道女として入った。戦時には砦(とりで)としての役目を果たしたこともあった。また異母弟ピョートル(後のピョートル1世)との権力争いに敗れたソフィアSof'ya Alekseevna(1657―1704)が幽閉された(17世紀末)のもここである。ロシア革命後、博物館になり(1922)、1934年からは国立歴史博物館の分室となっている。その付属墓地には、ゴーゴリ、チェーホフ、マヤコフスキーなどの有名な作家、哲学者、政治家などの墓がある。
[山川令子]