ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノ・ムヒョン」の意味・わかりやすい解説
ノ・ムヒョン(盧武鉉)
ノ・ムヒョン
Roh Moo-hyun
[没]2009.5.23. 釜山近郊
大韓民国(韓国)の政治家。大統領(在任 2003~08)。貧しい農家の三男に生まれ,1966年釜山商業高校を卒業。1975年に司法試験に合格し,テジョン(大田)地方裁判所で判事を務めたあと,弁護士事務所を開業,1980年代を通じて人権問題や政治運動に深くかかわり,当時のチョン・ドファン(全斗煥)政権を厳しく非難する。1988年に政界入り。統合民主党,新政治国民会議,新千年民主党の要職を務めながら,根強い地域主義を打破すべくチョルラ(全羅)道を基盤とするキム・デジュン(金大中)のあと押しを得て,対立するキョンサン(慶尚)道にあるプサン(釜山)地区の国会議員選挙や釜山市の市長選挙に出馬し落選を続ける。金大中大統領(在任 1998~2003)のもとで海洋水産部長官(在任 2000~01)。2002年の大統領選挙で新千年民主党の候補として立候補し当選,2003年2月に第16代大統領に就任。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対して柔軟な政策をとっていたが,2006年北朝鮮の核実験により支持率が低下した。2008年に引退したが,その後大統領在任中の妻らの巨額の金銭授受疑惑が浮上し,疑惑の捜査中に自殺した。
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