チョルラ(読み)ちょるら(英語表記)Cholula

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チョルラ」の意味・わかりやすい解説

チョルラ
Cholula

正式名称はチョルラデリバダビア Cholula de Rivadabia。メキシコ中部,プエブラ州南西部の都市。メキシコ市の東南東約 100km,メキシコ高原南東部にあり,標高約 2150m。メキシコ初期古典期 (100~600) にさかのぼり後期古典期 (900~1200) に最盛期を迎えたインディオの文化が栄えた地で,多数の円塔をもつ聖堂があることで知られる。スペイン征服前には日干し煉瓦でできた巨大なピラミッド (高さ 54m,底面積 18ha) を中心に数百の神殿があったが,1519年 H.コルテスアステカ帝国の首都テノチティトラン (現メキシコ市) へ進軍中市を破壊,のちそれぞれの神殿の上に現在の聖堂を建てたといわれる。ピラミッドの上にあったケツァルコアトル神殿もこのとき破壊され,代ってロスレメディオス聖堂が建てられている。現在宗教,観光の中心地として多くの巡礼や観光客が集るほか,周辺の農業地帯の商工業中心地として,穀物,マゲイ (リュウゼツランの一種で,その液からプルケと呼ばれる酒を醸造) ,果実,野菜,家畜などを集散,加工し,市内には酒造所,製粉所,織物工場などがある。人口2万 6748 (1980) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「チョルラ」の意味・わかりやすい解説

チョルラ
ちょるら
Cholula

メキシコ中央高原、プエブラ州西部の古都正称はチョルラ・デ・リバダビアCholula de Rivadavia。プエブラの西13キロメートル、標高2150メートルに位置する。人口1万7833(1978)。10~11世紀にトルテカ文明の中心地として繁栄したが、1519年スペインの征服者コルテスによって破壊され、住民は虐殺された。古代メキシコ最大といわれるピラミッドは土で覆われ、その頂上や周辺に多数の教会が建設された。現在はピラミッドの基部トンネルが掘られ、内部構造壁画を見学できる。

[高木秀樹]

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