改訂新版 世界大百科事典 「バセットハウンド種」の意味・わかりやすい解説
バセット・ハウンド[種]
basset hound
原産地がフランスの猟犬。祖先はフランスの古代犬オールド・フレンチ・ブラッド・ハウンドとセント・ヒューバート・ハウンドといわれ,古いタイプの猟犬種である。中・小型野獣猟やキジ猟に使われ,フランスとベルギーの王族たちの寵愛(ちようあい)と庇護(ひご)のもとに発展してきた。動作は敏しょうではないが,鋭敏な嗅覚で確実に獲物に接近し,低音でよく響くほえ声で狩り立てる。体形は太く短い足で背が低く,胴は長く幅があり,前胸がたくましく張り出し,骨太である。前肢はO脚を呈し,耳は薄く,大きく垂れ下がっているのが特徴。皮膚はたるみがあり弾力に富む。被毛は短く滑らかで,毛色は黒,褐,白の3色,黒と褐,褐と白,その他白と糟(かす)毛など種々である。体重は約12kgから20kg前後で小型に近い中型種。ル・クートール系とラヌ系の2系統がある。
執筆者:一木 彦三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報