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嗅覚 きゅうかく olfactory sence

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

嗅覚
きゅうかく
olfactory sence

化学物質の分子によって鼻腔内部の嗅粘膜中の嗅細胞が刺激されて起る匂いの感覚。嗅覚は味覚と同様に化学性感覚であるが,嗅覚を起す物質は揮発性を有するのが特徴である。一部動物の嗅覚は非常に敏感であり,麝香では1lの空気中に 0.0004mgあればよく,メルカプタンでは1l中に 0.00000004mgでも検出できるという。

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デジタル大辞泉の解説

きゅう‐かく〔キウ‐〕【嗅覚】

においを感じる感覚。揮発性の化学物質の刺激を受けたときに生じる。臭覚(しゅうかく)。

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百科事典マイペディアの解説

嗅覚【きゅうかく】

化学感覚の一種。陸生の動物では空気中を伝わってきた物質,水生動物では水にとけた物質が刺激源となる。食物・異性・捕食者の発見・識別に重要な役割を果たしている。嗅覚器に達したにおい粒子は,表面の粘膜に溶け込み,嗅細胞を興奮させると考えられる。
→関連項目嗅覚障害嗅粘膜

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栄養・生化学辞典の解説

嗅覚

 においを感じる感覚.

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世界大百科事典 第2版の解説

きゅうかく【嗅覚 olfaction】

においを感じる感覚で,化学感覚の一つ。食物の風味は,味ばかりでなく,においの成分が重要な役割をもっている。このことは,鼻をつまんで空気が通らないようにすると,リンゴが生のジャガイモと似た味になってしまうことでもよくわかる。陸生の動物では空気中を伝わってきたにおいを感ずるが,魚などの水生動物では水にとけたにおいを感じとる。一般にヒトも含め動物では,嗅覚が食物の選択,有毒物質の回避,捕食者に対する防御,また異性の発見や誘引などに役立っている。

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大辞林 第三版の解説

きゅうかく【嗅覚】

においを感じる知覚。揮発性物質が鼻腔上部の粘膜に付着し、嗅覚器を刺激するときに生じる感覚。臭覚。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

嗅覚
きゅうかく

気体の状態の化学物質を受容したときに生ずる化学感覚のことで、臭覚(しゅうかく)ともいう。嗅覚は視覚、聴覚と同様に遠く離れた刺激源から到達する刺激を感ずる遠隔感覚で、接触感覚の一種である味覚に比べると刺激の閾値(いきち)(感覚をおこすに有効な最小値)は一般に低い。嗅覚の刺激物質として作用するのは、生息環境、食物、他個体から生ずる無機物や有機物の分子で、それらの受容は食物、異性、害敵の検出や認知に役だつ。
 感覚のなかでも主として嗅覚に依存して行動を解発している動物を嗅覚動物という。脊椎(せきつい)動物ではイヌ、イモリ類、ヘビ類、板鰓(ばんさい)類、無脊椎動物では昆虫類がその代表的な動物である。とくにミツバチやアリでは、嗅覚能で、同種他個体から分泌されるさまざまなフェロモン(性フェロモン、集合フェロモン、警報フェロモンなど)を受容、識別し、複雑な社会生活を営んでいる。また、サケの成魚では、稚魚期に刷り込まれた母川の嗅覚記憶と鋭敏な嗅覚を手掛りにして、母川に回帰するといわれている。
 脊椎動物の嗅受容器の嗅細胞は、多種類の嗅物質に反応するゼネラリストgeneralist型であるが、それぞれの嗅細胞は独自の反応スペクトルを示す。昆虫の嗅受容器の嗅細胞は、ゼネラリスト型のものと、性フェロモンや食物誘引物質に対して特異的に反応するスペシャリストspecialist型のもの(たとえば、合成性フェロモンのボンビコールに強く反応するカイコガ雄の嗅細胞)とに区別される。したがって、脊椎動物ではすべての嗅物質が多数のゼネラリスト型嗅細胞を刺激して軸索にインパルスを発生させ、これらが嗅覚の中枢神経系(嗅球、梨状葉(りじょうよう)、扁桃葉(へんとうよう)など)に伝達され、そこで嗅物質が識別されて嗅覚が生ずることになる。昆虫でも多くの嗅物質はゼネラリスト型嗅細胞で受容されたのち、中枢(嗅葉、きのこ体など)で識別される。[山口恒夫]

ヒトの嗅覚

人体生理学では、嗅上皮(嗅粘膜)内の嗅覚受容器によってニオイ(よい匂(にお)い、または悪い臭(にお)い)物質が検知されたときにおこる感覚を嗅覚という。なお、人体生理学では一般に「ニオイ」と片仮名書きにするため、以下の文もこれに準ずることとする。
 感覚生理学では、一般に、味覚、嗅覚、平衡感覚(前庭感覚)、聴覚、および視覚を特殊感覚とよび、体性感覚や内臓感覚と区別している。また、味覚と嗅覚をあわせて化学感覚という。ヒトの日常生活において、嗅覚はあまり重要な役割を果たしていないように考えられがちであるが、嗅覚を通じて、初めて食物の風味や香料の魅力的なニオイを感知したり、食物の腐敗やガスの漏れなどを探知できるわけである。したがって、人間が生命を維持するうえで、嗅覚はたいせつな役目を果たしているということができる。
 ニオイの感覚器は、鼻腔(びくう)背側後部にある黄褐色の嗅上皮であり、その全面積は約4.8平方センチメートルである。嗅上皮は嗅細胞と、これを支える支持細胞、および基底細胞の3種類の細胞から構成され、さらにボーマン腺(せん)細胞も関連している。嗅細胞はニオイ分子を受容する受容細胞で、嗅上皮表面に向けて直径1マイクロメートルの細い突起(嗅樹状突起)を出す。嗅樹状突起の先端は嗅上皮より約2マイクロメートル突き出て膨大している(これを嗅小胞という)。この嗅小胞からは長さ1~2マイクロメートル、直径0.1マイクロメートルの嗅線毛(嗅繊毛)が数多く伸びている。嗅細胞は神経細胞(ニューロン)であり、その軸索(直径約0.1マイクロメートル)は嗅神経を形成して篩骨(しこつ)を貫いて嗅球に入る。嗅細胞の総数は両側で1億個もあるといわれている。なお、嗅上皮には三叉(さんさ)神経の自由神経終末もきており、アンモニア臭などの強烈なニオイに反応する。
 嗅覚の中枢神経系は、嗅球(第一次嗅中枢)に始まり、梨状皮質・扁桃核(旧皮質に属する第二次嗅中枢)、視床背内側核など(第三次嗅中枢)を経て眼窩(がんか)前頭皮質(新皮質に属する高位の嗅中枢)に終わる経路である。
 嗅神経は、嗅球内の糸球体(直径100~200マイクロメートルの球形のもの)に入り、僧帽(そうぼう)細胞および房飾(ぼうしょく)細胞の樹状突起とシナプスをつくる。シナプスとはニューロンから次のニューロンへのつながりの部分をいう。また、糸球体の近くには糸球体周辺細胞があり、その樹状突起は、嗅神経終末部や僧帽細胞、房飾細胞の主樹状突起とシナプスをつくる。さらに嗅球の深部には顆粒(かりゅう)細胞があり、その樹状突起には、嗅球外からくる遠心性の多くの神経線維(繊維)がシナプスをつくる。顆粒細胞の樹状突起は嗅球の表面に向かって伸びていて、僧帽細胞や房飾細胞の副樹状突起とシナプスをつくる。嗅球の活動は、これら遠心性の経路を介して調節されているわけである。ウサギでシナプスの形成をみると、2万6000個の嗅細胞が一つの糸球体に集束しており、ついで、そこから24個の僧帽細胞と68個の房飾細胞に発散している。
 嗅球の僧帽細胞の軸索は、外側嗅索を走り、大部分は大脳底部にある前嗅核、嗅結節、梨状皮質や扁桃核に終止している。これらは、大脳の旧皮質とよばれ、大脳辺縁系に属するものである。房飾細胞の軸索も外側嗅索を通り、僧帽細胞と同じ領野に終わっている。これらの部位の集合体は第二次嗅中枢を形成する。
 高次嗅中枢は、サルについての研究によると、眼窩前頭皮質の外側後部と中央後部に存在する。第二次嗅中枢からの神経線維は、視床の下部を経由して眼窩前頭皮質の外側後部に至る場合と、視床背内側核を経由して、その中央後部に至る場合の2通りがある。前者を視床外嗅覚系、後者を視床経由嗅覚系とよぶ。視床外嗅覚系では、嗅球細胞からより高次の嗅中枢の細胞へと情報が伝えられるにつれて、単一細胞が一つだけのニオイに応答する割合が増大する。したがって、この系は、ニオイを分析的に識別するという重要な役割を果たしていると考えられる。他方、視床経由嗅覚系では、高位中枢に至っても、一つのニオイのみに応答する細胞はみられないので、この系は分析的なニオイ識別とは関係なく、ニオイの総合的な働き(ニオイの鑑賞)などと関係するものと思われる。
 ニオイとして感じられる物質は、常温で揮発性であり、脂溶性である。いろいろな研究者によってニオイは分類されているが、統一的な分類は、まだみいだされていない。日本耳鼻咽喉(いんこう)科学会の嗅覚研究グループは1978年(昭和53)嗅覚検査用に次の10臭を定めた。すなわち、(1)花香、(2)焦臭、(3)汗臭、(4)果実臭、(5)糞(ふん)臭、(6)樟脳(しょうのう)臭、(7)麝香(じゃこう)、(8)石炭酸臭、(9)酢臭、(10)ニンニク臭の10臭である。これらは基本的なニオイである。
 ある特定のニオイ、たとえば、汗臭をまったく感じない人を、その物質に対する嗅盲であるという。このような人は汗臭を引き起こすニオイ物質を受け取る受容体(分子)をつくる遺伝子が欠如しており、アメリカ・カナダで行った調査によると人口の約3%の頻度でみられる。また、汗臭の感度が低下している人はその受容体の数が少ないか、受容体分子の配置が遺伝子の障害で異常になっている。
 種々のニオイで刺激したとき、感覚をおこす最小量(閾値)は、物質によって異なっている。閾値は、天候、温度、湿度の影響を受けるし、被検者の疲労や栄養状態でも変動する。また、ニオイを続けてかぐと時間の経過とともに急速に感じなくなるという順応の現象はよく知られている。[佐藤俊英]
『高木貞敬著『嗅覚の話』(岩波新書)』

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世界大百科事典内の嗅覚の言及

【化学感覚】より

…嗅覚や味覚のように物質の化学作用が刺激となって生じる感覚で,一般に脊椎動物では味覚と嗅覚がこれに含まれる。陸生の動物のうち,無脊椎動物には脊椎動物の味覚器や嗅覚器に直接対応する感覚器がないが,これらの動物でも,刺激源から刺激物質の分子が空中を伝播(でんぱ)してきて動物に応答を起こさせる遠隔化学感覚を嗅覚,刺激物が直接動物に接触したときに動物に応答を起こさせる接触化学感覚のうち摂食に関係するものを味覚と定義できる。…

【におい(匂い∥臭い)】より

…嗅覚によって生じる感覚。普通よいにおいには〈匂い〉,悪いにおいには〈臭い〉が使われるが,においのよしあし自体はきわめて主観的な感覚である。…

※「嗅覚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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