日本大百科全書(ニッポニカ) 「バフマン朝」の意味・わかりやすい解説
バフマン朝
ばふまんちょう
Bahman
インド中央部、デカン地方を中心としたムスリム王朝(1347~1520ころ)。デリーのトゥグルク朝は強大な王朝で、その第2代ムハンマド・ビン・トゥグルクはデカン北部デーワギリに一時首都を移すなど、南方への進出を図った。彼によってデカン南方への征服に派遣された武将たちが、バフマン・シャーを王として独立したのがバフマン朝である。バフマン朝の勢力が拡大するのに伴い、デカン地方にもイスラムの影響が広がった。15世紀になるとバフマン朝は内部分裂を深め、1520年ごろにはアーディル・シャーヒー、クトゥブ・シャーヒーなど五つのムスリム王朝(デカン五王朝)に分裂した。
[小谷汪之]