改訂新版 世界大百科事典 「バフ研磨剤」の意味・わかりやすい解説
バフ研磨剤 (バフけんまざい)
buffing compound
バフ仕上げの中研磨(生地研磨),仕上げ研磨(つや出し研磨)に用いる研磨剤。研磨材(砥粒(とりゆう))を主成分とし,これを油脂,蠟に分散させたり,水,乳化剤,界面活性剤などに懸濁させたもの。なおバフ仕上げの粗研磨(下研磨)には,粗い砥粒をバフの外周面に接着剤で固着して用いるのが普通である。バフ研磨剤は表のように分類される。棒状バフ研磨剤は常温において固形で,使用に便利なように棒状に成形したものである。油脂性の棒状バフ研磨剤は油脂性研磨剤と通称され,最も一般的なバフ研磨剤である。ステアリン酸,硬化油,牛脂,パラフィン,木蠟などを適当に配合し,必要に応じて金属セッケン,界面活性剤などを加え,これらの配合物を加熱溶融して,砥粒を均一に混練したのち,型に入れて冷却固化させて棒状に成形する。使用にあたっては,回転するバフの面に圧着し,摩擦熱によって必要量を溶融させて,バフ面に塗布する。〈白棒〉〈青棒〉〈赤棒〉と通称されるものはそれぞれ,砥粒としてアルミナ質微粉Al2O3,酸化クロム(Ⅲ)Cr2O3,酸化鉄(Ⅲ)Fe2O3を含む。
執筆者:今中 治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報