砥粒(読み)トリュウ(その他表記)abrasive grain

デジタル大辞泉 「砥粒」の意味・読み・例文・類語

と‐りゅう〔‐リフ〕【×砥粒】

研磨に用いる硬い粒子。鉄鋼や焼入れ鋼などの鉄系材質に向くアルミナ系砥粒(アランダム)、石や鋳鉄といった硬くてもろい材質に向く炭化ケイ素系砥粒(カーボランダム)などがある。

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改訂新版 世界大百科事典 「砥粒」の意味・わかりやすい解説

砥粒 (とりゅう)
abrasive grain

ものを研ぐ,削る,磨くなどのために使われる高硬度の粒状または粉末状の物質の総称人造品および天然産のものがあるが,人造品を用いることが多い。砥粒を使った加工の歴史は,遠く石器時代の昔にさかのぼり,磨製石器の製作に,天然といし砥石)によるホーニングとか,前加工時に生じた石の砕片や砂によるラッピングが適用されたと思われる。くだって,古代の玉磨きや金属鏡の仕上げ,中世における刀剣の研磨やレンズ磨きなど,多方面で用いられてきた。19世紀半ばに,鉱物の細粉をふるい分けて粒の大きさをそろえ,これを適当な接合剤で固めて,といしにすることが行われた。天然砥粒を用いた人造といしの時代である。1891年に炭化ケイ素,97年にアルミナの製造法が発明され,その工業化とともに人造砥粒の時代に入った。その後,各種のアルミナ質砥粒が開発され,1934年に炭化ホウ素質砥粒,53年に人造ダイヤモンド,57年にcBN窒化ホウ素)砥粒などが出現した。その他の硬質材料の砥粒としての適用も検討されている。
研磨材
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