バラクラバ暴風(読み)ばらくらばぼうふう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バラクラバ暴風」の意味・わかりやすい解説

バラクラバ暴風
ばらくらばぼうふう

バラクラバは、黒海に臨むウクライナクリミア半島にある大軍港セバストポリの南、約9キロメートルの所にある小さな港町である。1854年11月、クリミア戦争のおり、フランスの鋼鉄製の戦艦アンリ4世」号がバラクラバ沖に停泊していたが、11月14日突然暴風に襲われ、7000トンの軍需品を積んだまま沈没してしまった。この暴風をバラクラバ暴風という。この遭難がきっかけとなって、パリ天文台長ルベリエの尽力により、暴風雨を予報するための天気図作業がフランスで始められた。世界で初めて日々の天気図が公刊されるようになったのは、9年後の1863年9月からであった。

根本順吉

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む