改訂新版 世界大百科事典 「バリエラ」の意味・わかりやすい解説
バリエラ
Peruvian's wild grape
Chondrodendron
ツヅラフジ科のつる性木本の属。バリエラはポルトガル語pareiraに由来。葉は腎臓形から卵形,長い葉柄がある。円錐花序が葉腋(ようえき)から1本,種によっては多数が束状にでる。花は単性,雌雄異株。萼片6~18枚,花弁6枚,雄花ではおしべ3~6本,雌花ではめしべ6本。実は楕円形の核果。C.tomentosum,C.platyphyllum,C.cardicansなど約8種が熱帯アメリカに分布。パナマ,ボリビア,ブラジル,コロンビア,ペルー,ベネズエラなどの国々では,クラーレという矢毒をこれらの種の樹皮や根から抽出する。クラーレの有効成分はクラリン,ツボクラリンなどのアルカロイドで,筋肉を麻痺させる作用があるが,適量を用いると筋肉をほぐすので,医薬用にもする。
執筆者:寺林 進
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報