バルシチナ(その他表記)barshchina

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バルシチナ」の意味・わかりやすい解説

バルシチナ
barshchina

ロシアの農奴制において農奴が農奴主の農場で強制された賦役労働。主人を意味するロシア語バリン barinに由来する。 10世紀以降,封建制の発達とともに,スメルド (自由農民) は農奴化され,農民は地主側の一方的権限のもとに賦役を課せられた。 16世紀の後半には,この賦役労働を主体とする農奴制が全ロシアに確立。中央ロシアおよびノブゴロド地方の地主農場では全耕地の 35~56%が賦役労働によって耕されており,18世紀後半になるとロシア全体で全農奴の 56%もが賦役を負うにいたっていた。 1861年の農奴解放令により,この賦役義務は廃止されたものの,地主地の用益代償として貢納,賦役が課せられ,賦役形態の完全な消滅は,1917年の十月革命にいたって果された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android