改訂新版 世界大百科事典 「バローダラー」の意味・わかりやすい解説
バローダラー
Vadodarā
インド西部,グジャラート州南東のキャンベイ湾奥部の古都。英語名バローダBaroda。人口130万6035(2001)。18世紀前半以来マラーター同盟のガーイクワール家の城下町として栄えた。1805年にイギリスとの軍事保護条約により同家が支配するバローダ藩王国の主都となり,独立時にいたる。新・旧両市からなり,四つの市門の残る東部の旧市には商業地区,その北および西に広がる新市には住宅地のほか官庁,大学,サンスクリット写本の収集で名高い東洋学研究所などがある。旧藩王宮殿のラクシュミー・ビラス宮殿はインド・イスラム様式の代表的建築である。周辺平野からの綿花,米を集散する。更紗染色などの伝統工業のほか,紡績,薬品,石油化学などの近代工業,造兵厰が立地し,工業化が著しい。
執筆者:応地 利明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報