バージニア権利章典(読み)バージニアけんりしょうてん(英語表記)Virginia Bill of Rights

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バージニア権利章典」の意味・わかりやすい解説

バージニア権利章典
バージニアけんりしょうてん
Virginia Bill of Rights

人は生れながらにして人間として不可侵の権利を有するという天賦人権論に立ってその権利を国法上宣言した歴史上最初の文書バージニア植民地は,1776年5月,協議会を開いて独立決定,同時に憲法起草委員会を設けたが,まず,主としてジョージ・メーソンの手に成る草案が同年6月 12日に採択され権利章典となった。全文 16ヵ条から成る。さらに,6月 29日に統治機構 Frame of Governmentが採択されたが,これらを合せてバージニア憲法と観念され,のちの成文憲法範型となった。

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世界大百科事典(旧版)内のバージニア権利章典の言及

【基本的人権】より

…政府が信託に違反して人民の権利を奪うときは,人民に抵抗権がみとめられる。世界最初の人権宣言は,1776年6月12日に採択されたアメリカのバージニア権利章典である。そこでは,万人が生まれながらにしてひとしく自由かつ独立しており,一定の生得の権利を有するとされ,そのような権利として財産の所有とともに,幸福追求の手段を伴う生命,自由の享受があげられている。…

【抵抗権】より


[アメリカ,フランス]
 近世以降の権利宣言において,抵抗権は人権として明文で定められるようになる。まずアメリカのバージニア権利章典(1776)には,その3条で,政府がその目的に反するか不十分であると認められた場合に,〈社会の多数の者がその政府を改良し,改変し,あるいは廃止する権利〉が〈疑う余地のない,人に譲ることのできない,また破棄しえない〉ものとして宣言されたし,続くアメリカ独立宣言(1776)にも同様の趣旨の表現が見いだされる。これらには,ロックの《市民政府論》(1690)等に典型的に見られる,自然権思想と信託思想に基づく抵抗権理論の直接的影響が見られることはよく知られている。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」