バーバリエープ(読み)ばーばりえーぷ(その他表記)Barbary ape

翻訳|Barbary ape

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バーバリエープ」の意味・わかりやすい解説

バーバリエープ
ばーばりえーぷ
Barbary ape
[学] Macaca sylvana

哺乳(ほにゅう)綱霊長目オナガザル科の動物。マゴットともいう。モロッコアトラス山脈と、アルジェリアの一部に分布する。対岸ジブラルタルにも少数がすんでいるが、それは人間の手で移植されたものであるといわれている。ヒト以外の霊長類では、サハラ砂漠以北のアフリカにすむ唯一の種であり、またアフリカに分布する唯一のマカック属のサルでもある。地中海沿岸の中新世の地層化石を残したもっとも古いタイプのマカック属の系統を引くといわれる。体長60センチメートル、尾はほとんどみえず、体毛は枯れ芝色。外見はニホンザルに似ている。雑食性で、20頭程度の複雄群をつくる。雄がよく子守行動を行い、劣位の雄は赤ん坊を抱くことによって、優位の雄からの攻撃を回避するという行動型をもっている。

[川中健二]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android