改訂新版 世界大百科事典 「パットマン委員会」の意味・わかりやすい解説
パットマン委員会 (パットマンいいんかい)
Patman Committee
テキサス州選出のパットマンWright Patman下院議員を委員長とするアメリカ議会内の委員会に対する通称。パットマン委員会は2回設置されているが,それぞれ著名な報告書を発表している。第1は,経済報告に関する両院合同経済委員会のなかに1953年設けられた一般信用統制と国債管理に関する小委員会の〈金融政策と公債管理〉と題する報告書である。第2次大戦後の初期国債価格支持政策をめぐって,財務省と連邦準備制度理事会とが対立した。この対立は1951年3月に両者間にいわゆる〈アコードAccord〉(協定)が成立し,国債価格支持政策を廃止することで解決したが,パットマン委員会はこの問題について広範な調査を行い,国債管理政策と金融政策との協調について報告書を提出した。第2は,下院銀行・通貨委員会のなかに63年設けられた国内金融小委員会で,アメリカ商業銀行の株式所有と産業支配に関して66年以降一連の調査報告書を発表した。66年〈銀行株式の所有と支配〉,67年〈商業銀行の支配と金融機関の結合関係〉,68年〈商業銀行とその信託活動--アメリカ経済への拡大する影響〉がそれである。
執筆者:伊東 政吉
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報