国債管理政策(読み)こくさいかんりせいさく(英語表記)debt management policy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

広義には,裁量的な財政政策景気変動によって生じた財政黒字,もしくは赤字金融的な管理をいう。狭義には,新規に資金を借り入れるために発行する国債や,満期債の借り換えのために発行される国債の種類と,発行条件に関する財政当局の決定のことをいう。この場合,政策目標としては,経済の安定成長に寄与することと,国債費 (特に利子費用) の最小化があげられる。国債は 1975年以降大量発行され,それに伴い市中売却制限の緩和が図られた。結果として流通市場が本格的に形成されることになり,短期金融市場を含め金融自由化を推進する契機となった。

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知恵蔵の解説

国民経済を安定化させたり、国債の消化や国債利子費用の最小化のために、国債の発行・消化、流通、借り換え・償還の各局面で行われる政策のこと。狭義には、新規発行国債および借換(かりかえ)債の種類と発行条件に関する財政当局の決定を指す。巨額の国債累積という現状を踏まえ、財務省は2003年12月に「国債管理政策の新たな展開」を発表した。そこでは、国債の安定消化促進等のための国債市場特別参加者制度、商品の多様化を通じて国債保有者層の多様化を図るための物価連動国債、高い識見を有する民間人の意見を得るための「アドバイザリー・コミッティー」が、導入される政策として挙げられている。国債大量借り換え時代を近い将来に控えて、いかに低利で国債借り換えを行っていくか、ということが、今後の国債管理政策の焦点となってくると考えられる.

(神野直彦 東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授 / 2007年)

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世界大百科事典 第2版の解説

〈国債管理(公債管理)〉は財政および金融の二つの側面からみる必要がある。政府は財政需要を満たすために国債を低利でかつ大量に発行したいという強い要求をもっている。一方,金融市場においては利用可能な資金量には一定限界があり,この限度を超えて国債発行が継続すると財政インフレーションを招くことになる。国債管理とは,財政インフレを回避しつつ政府資金をいかに安定的に調達するか,財政の要求と金融市場の制約をどのように調和的に解決するのか,という問題である。

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世界大百科事典内の国債管理政策の言及

【国債】より

…国債は金融機関のシンジケート団によって引き受けられたが,発行後1年たつと日銀の買いオペレーションの対象となり,大部分は日銀,資金運用部の保有となった。そのため国債発行利回りは市場実勢よりも低く固定することが可能となり,こうした国債管理政策は,人為的低金利政策の重要な構成要素となった。73年秋の石油危機を契機とした低成長への移行,深刻な不況局面への転換は,税収減の補てん,景気対策の必要から大量の国債発行時代を現出させた。…

※「国債管理政策」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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