日本大百科全書(ニッポニカ) 「パハルプル」の意味・わかりやすい解説
パハルプル
ぱはるぷる
Pahapur
バングラデシュ西部、ラジシャヒ地方にある仏教遺跡。出土した銘文により、パーラ朝第2代のダルマパーラ王(在位770~815)の創建になる「大寺(マハービハーラ)」である旨が知られるソーマプラ寺は、インド亜大陸の仏教伽藍(がらん)中もっとも大きい。主堂は基壇の四方に階段をもつ十字形プランからなり、東西96メートル、南北110メートルに及び、三重の基壇の側壁にはおよそ3000枚に上るテラコッタの浮彫りパネルがはめ込まれていた。最上段にそびえる高塔の四面にはそれぞれ大形の仏像が安置されていたと思われるが、現在は失われている。この主堂を中心に170以上の僧房が四周を囲み、全体で300メートル四方に及ぶ祠堂(しどう)と僧院の複合建築であった。この遺跡は1985年に世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。
[秋山光文]