祠堂(読み)シドウ

デジタル大辞泉 「祠堂」の意味・読み・例文・類語

し‐どう〔‐ダウ〕【×祠堂】

祖先の霊を祭る所。御霊屋みたまや持仏堂
寺の、檀家位牌いはいを納めておく堂。位牌堂
神仏を祭った小さなやしろほこら
[類語]神社やしろみや神殿神廟しんびょう社殿廟宇びょうう神宮鎮守ちんじゅほこら大社稲荷八幡本社摂社末社

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精選版 日本国語大辞典 「祠堂」の意味・読み・例文・類語

し‐どう‥ダウ【祠堂】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 死者の霊をまつる所。位牌をまつる堂。家の中や庭内などにしつらえたり、寺院で檀家の位牌をまとめておさめる堂。持仏堂。たまや。位牌堂。
    1. [初出の実例]「祠堂、右、崇壇越之霊祠、為香火廻向之処也」(出典:山城泉涌寺文書‐承久二年(1220)二月一〇日山城泉涌寺殿堂房寮目録)
    2. [その他の文献]〔漢書‐龔勝伝〕
  3. ほこら。やしろ。
    1. [初出の実例]「丞相祠堂僅去城。青松其下見残桜」(出典:翰林葫蘆集(1518頃)三・松間残桜)
    2. [その他の文献]〔晉書‐石勒下〕
  4. しどうきん(祠堂金)」の略。
    1. [初出の実例]「常楽祠堂三百疋納之」(出典:実隆公記‐大永八年(1528)六月一日)

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普及版 字通 「祠堂」の読み・字形・画数・意味

【祠堂】しどう(だう)

やしろ。唐・杜甫〔蜀相〕詩 丞相の祠堂何(いづ)れの處にかねん 錦官外、柏森森

字通「祠」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「祠堂」の意味・わかりやすい解説

祠堂
しどう

仏教で,祖先の位牌を祀ってある堂のこと。寺院の位牌堂 (信徒の位牌を一堂に集めたところ) も祠堂という。ここで,忌日ごとに読む経を祠堂経,それを寺院側に頼んで永続的に読んでもらう場合には永代経 (えいたいきょう) という。

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世界大百科事典(旧版)内の祠堂の言及

【祠堂銭】より

…中世とくに室町時代に,主として禅宗寺院が行った金融貸付けの銭。祠堂というのは,禅宗寺院に特有の堂で,死者の位牌を安置し,その冥福を祈ることを目的とした建物である。本来祠堂銭は信者が入牌料あるいは供養料として祠堂に寄進した銭貨であった。…

【住居】より

…オンドル房とマル房を含み,庭園をも設ける。祠堂(サダンsadang)は家の後方に独立した建物で,祖先の位牌を安置する場所である。祠堂の床はオンドルにするのが普通である。…

【宗廟】より

…中国において,祖先の位牌をまつる建物。天子については宗廟(または太廟)といい,それ以下の階級については家廟(または祠堂)という。その営建は殷代にまでさかのぼる。…

【塔頭】より

…禅僧の墓を卵塔あるいは無縫塔と呼び,四角,八角の台座に卵形の塔身をのせる。この墓塔を覆い守る堂を套堂(さやどう),祠堂,開山堂などと呼び,これと接続して拝礼する礼堂(らいどう)が昭堂である。方丈は塔頭住持の居室と客殿を兼ね,一般寺院の本堂の役割を果たす。…

※「祠堂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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