パラッツォ・ベッキオ(その他表記)Palazzo Vecchio

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パラッツォ・ベッキオ」の意味・わかりやすい解説

パラッツォ・ベッキオ
Palazzo Vecchio

フィレンツェ共和国の旧政庁。パラッツォ・デラ・シニョリーア Palazzo della Signoriaともいう。アルノルフォ・ディ・カンビオのデザインにより着工され (1298~1314) ,16世紀にジョルジョ・バザーリ,ベルナルド・ブオンタレンティらにより増築された。 1872年以来,市庁舎となっている。ルスティカ様式の3層の建物。内部にクリストファノ・アッローリやバザーリなどマニエリスムの絵画で装飾されたフランチェスコ1世のストゥディオーロ,A.ブロンジーノの天井画のあるエレオノーラ・ダ・トレド礼拝堂,ミケランジェロの『勝利の像』,アンドレア・デル・ベロッキオの『いるかと戯れる童児』,ドナテロの『ユーディットホロフェルネス』などのルネサンス彫刻がある。

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世界大百科事典(旧版)内のパラッツォ・ベッキオの言及

【アルノルフォ・ディ・カンビオ】より

…ゴシック聖堂の垂直性を水平方向の広がりによって調和的に抑制した構成は,彫刻作品とも通じる特色である。城塞から都市邸宅への過渡的様相を示すパラッツォ・ベッキオも彼によって設計され,フィレンツェを代表する建築として両聖堂とともに親しまれている。【日高 健一郎】。…

【宮殿】より


[君主の居館]
 中世末期にいたって,生産力の向上を背景に,封建諸侯の支配を次々に統合していったヨーロッパの君主たちは,しだいに壮麗さを競う居館を建設するようになる。古代以来,先進的な都市社会を築いてきたイタリアでは,フィレンツェのパラッツォ・ベッキオ(政庁。1298‐1314)やベネチアのパラッツォ・ドゥカーレ(総督宮。…

※「パラッツォ・ベッキオ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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