日本大百科全書(ニッポニカ) 「パラーデ」の意味・わかりやすい解説
パラーデ
ぱらーで
George Emil Palade
(1912―2008)
アメリカの細胞生物学者。ルーマニアのヤーシに生まれる。1940年ブクレシュティ(ブカレスト)大学医学部を卒業、同大学の講師、ついで準教授となった。1946年アメリカに渡り(1952年帰化)、最初はニューヨーク大学にいたが、A・クロードに誘われてロックフェラー研究所に移った。のちに研究所はロックフェラー大学になり、1958年には同大学教授、1973年にエール大学教授、1990年にカリフォルニア大学の理学部長に就任した。
細胞の微細構造を電子顕微鏡を用いて研究したが、そのための生体組織の固定と超薄切片法を開発した。また細胞質中にリボ核酸(RNA)を含む微細な顆粒を発見し、詳細に研究した結果、それがタンパク質を合成する場所であることをつきとめた。その顆粒は、パラーデの顆粒とよばれたが、のちにリボゾームと名づけられた。1974年に「細胞の構造と機能に関する発見」により、クロード、ド・デューブとともにノーベル医学生理学賞を受賞した。
[編集部]