大学事典 「準教授」の解説
準教授[独]
じゅんきょうじゅ
ドイツの大学教員のポスト。ジュニア・プロフェッサー。教授と同様に,独立した教育研究活動を行うことのできる期限付きのポストとして2002年に新設された。従来の制度では,独立した教育研究活動を行える教授職に就くには大学教授資格(ドイツ)(Habilitation)を取得しなければならない。しかし,これを取得して教授として初めて任用されるのは一般に40歳前後で,長い年数を要することが近年の若手研究者の外国流出の素因になっているとされた。そこで若手研究者の流出傾向に歯止めをかけようと,2002年に連邦政府は連邦全体の高等教育の枠組みを定める大学大綱法を改正し,平33歳程度で就くことのできる準教授のポストを新設するとともに,大学教授資格を廃止し,原則として準教授の在職経験を教授の採用条件に据えた。ところが連邦憲法裁判所が,連邦による同法改正が教育に関する州の権限を侵すとして違憲判決を下したため,2004年に準教授の在職経験を教授の採用条件とする規定等は削除され,準教授ポストの導入や大学教授資格の存続は各州の任意とされた。2013年現在,準教授のポストは全州で導入されているが,その処遇は高等教育機関や学部等によりかなり異なる。
著者: 髙谷亜由子
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報