パンチカパイオン(その他表記)Pantikapaion; Panticapaeum

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パンチカパイオン」の意味・わかりやすい解説

パンチカパイオン
Pantikapaion; Panticapaeum

キンメリアのボスポロス,現ケルチ海峡西岸に位置した古代ギリシア,ミレトスの植民市 (→アポイキア ) 。ラテン名パンチカパエウム。前7世紀末に建設され,海峡の漁港として,また,タナイス川流域との通商,特にクリミアからの穀物輸出で繁栄した。同市はまずアルカイナクチダイ家が支配し,前 438年にはスパルトキダイ家がこれに代った。同市の豊かな富は前4,3世紀における金貸と壮麗な岩の墳墓が証明している。前 115年頃にはミトラダテス6世ポントス王国における首都となり,その後,彼の子孫によって建設されたローマ宗主権下のクリミア朝の所在地であった。3世紀にはサルマチア人とゴート人に占拠された。

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