海峡(読み)カイキョウ

デジタル大辞泉 「海峡」の意味・読み・例文・類語

かい‐きょう〔‐ケフ〕【海峡】

陸地に挟まれた狭い幅の水路となって、二つ海域をつなぐ海。水道瀬戸
[補説]書名別項。→海峡
[類語]水道瀬戸

かいきょう【海峡】[書名]

赤江瀑長編小説。昭和58年(1983)刊行。翌昭和59年(1984)、短編八雲が殺した」とあわせ第12回泉鏡花文学賞受賞

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精選版 日本国語大辞典 「海峡」の意味・読み・例文・類語

かい‐きょう‥ケフ【海峡】

  1. 〘 名詞 〙 陸と陸との間にはさまれて、幅が狭くなっている海。海門。水道。瀬戸。
    1. [初出の実例]「馬児地歇私諸島。〈略〉海峡の最広なる四六里許」(出典:輿地誌略(1826)八)

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改訂新版 世界大百科事典 「海峡」の意味・わかりやすい解説

海峡 (かいきょう)

二つの陸地にはさまれた狭い水域。瀬戸または水道ともいう。陸地が断層運動や曲降運動などにより海中に沈んでつくられた海峡は深く(ジブラルタル海峡紀伊,豊後両水道など),広い陸地が海中に沈んで低地や谷に海水が浸入してつくられた海峡は浅い(ダーダネルス海峡関門海峡など)。海峡では激しい潮流を生じやすい。瀬戸内海では灘と灘を結ぶ狭い海峡が多く,関門海峡で7.5ノット,来島海峡8ノット,明石海峡6ノット,鳴門海峡では海面落差を生じて10ノットにも達する潮流がおこり,渦潮ができるほどである。潮流は海底にも強い流れをおこすため,海底の浸食堆積物の移動がさかんであり,その結果海釜(かいふ)と呼ばれるくぼみがみられるのが一般である。瀬戸内海の海峡は,陸地が海に沈み谷や低地に海水が浸入して埋積された谷筋にあたっているが,ここには潮流によって浸食されたり,あるいは堆積を妨げられたために残された数多くの海釜がある。海峡の海底が尾根状の高まりで分けられ両側に二つの海釜ができる場合(豊後水道,鳴門海峡など),海峡の幅が広く潮流方向に長軸をもつ一つの海釜ができる場合(釣島水道,由良瀬戸)などがある。また断層陥没による構造性の海釜も存在する(津軽海峡西口)。幅広い海峡では堆積物の移動により砂州やサンドウェーブが形成されることもある。対馬海峡東水道では海峡最狭部にバルハン状の砂州が,それより外側には潮流方向に平行した長い砂州が一定間隔で並び,また砂州の表面には流向に直交するサンドウェーブが分布している。

 海峡は潮流が激しいために船舶交通の難所でもあり,国際的にも航路指定がなされ船舶交通の規制が行われている(ドーバー海峡,ホルムズ海峡,マラッカ海峡,シンガポール海峡)。国内的にも海上交通安全法の指定航路の多くは海峡に設けられており(浦賀水道,来島海峡など),海峡部の潮流の変化を船舶に知らせるために潮流信号所が設けられている。また通航権をめぐって,しばしば国際紛争が生じている。
海峡問題 →国際海峡
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「海峡」の意味・わかりやすい解説

海峡
かいきょう

二つの海域を結ぶ細長い水路。水道、瀬戸ともいう。海峡は古来しばしば軍事上、政治上、商業上の要地となった所が多い。たとえば、地中海と大西洋を結ぶジブラルタル海峡や、黒海と地中海を結ぶボスポラス海峡、北海と大西洋を結ぶドーバー海峡、インド洋と南シナ海を結ぶマラッカ海峡などその好例である。潮差の大きい二つの海域を結ぶ海峡では、潮流が強く、流速や流向が変化しやすく、船舶の航行に注意を要する。その例としては鳴門(なると)海峡がとくに有名である。海峡のうち、狭い水道や、瀬戸という名称は、瀬戸内海の島々との間の水域に多く、風景に優れている所が多い。

[市川正巳]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「海峡」の意味・わかりやすい解説

海峡
かいきょう
Strait

2つの陸地が接近して海がせばまった海域を意味するが,海峡をはさむ2つの海もしくは2つの陸地の最短の連絡通路として海上交通上重要なルートとなりうる (ボスポラス海峡,マラッカ海峡,ジブラルタル海峡など) 。

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世界大百科事典(旧版)内の海峡の言及

【海峡問題】より

…一般には黒海と地中海を結ぶダーダネルス,ボスポラス両海峡の軍艦の通航権をめぐる国際紛争を指す。今日では重要な海上輸送路にあたるマラッカ,ホルムズ両海峡,さらに,海軍力の通過する他の海峡についても関心がはらわれている。…

※「海峡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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