ヒマル・チュリ山(読み)ひまるちゅりさん(英語表記)Himal Chuli

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒマル・チュリ山」の意味・わかりやすい解説

ヒマル・チュリ山
ひまるちゅりさん
Himal Chuli

ネパールヒマラヤ山脈中央部にあるマナスル山群の高峰。標高7893メートル。マナスル(8156メートル)から約15キロメートル、南東に延びる尾根上にそびえ、この間にあるピーク29(7835メートル)とあわせてマナスル三山といわれる。主峰のほかに北峰(7371メートル)、西峰(7540メートル)からなる。ヒマル・チュリとは「雪の峰」といったほどの意味である。氷食を受けた鋭い山容を、東はブリ・ガンダキ渓谷の支谷チュリン・コーラに、南西はマルシャンディ渓谷の支谷ドルディ・コーラの源頭部にのぞかせている。1950年にイギリスのティルマン隊が西南西方向から探査し、1953年(昭和28)日本のマナスル隊が偵察、1955年ケニア隊が試頂したが成功せず、1959年日本隊(村木潤次郎隊長)の失敗後、1960年慶応大学隊(山田二郎隊長)が西方ルートから5月24日初登頂に成功した。

[金子史朗]

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改訂新版 世界大百科事典 「ヒマル・チュリ山」の意味・わかりやすい解説

ヒマル・チュリ[山]
Himal Chuli

ネパール・ヒマラヤ,マナスル山群にある山。標高7893m。ネパール語で〈ナイフのような鋭い雪山〉という意。マナスル登頂に成功した日本山岳会は,1958年試登,翌59年攻撃したが敗退。これを引き継いで慶応大学隊(山田二郎隊長)が60年初登頂に成功した。その後,イタリア隊やいくつかの日本隊が登頂を試みたが失敗し,78年〈春の雪と岩の会〉が主峰の第2登をなし,西峰7541mにも登頂。
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