アオギリ科の常緑高木で,高さ8~15m。葉は長さ約12cm。花は周年開花し,黄色に濃紫色の線がある。果実は花柄に放射線状に4~5個つき,中に5~9個の種子がある。種子をコラナッツと呼ぶ。2~2.5%のコラチン(カフェインの一種)や0.02%のテオブロミンを含み,生でかむと興奮と活気を覚えるので,古くからアフリカ人が用いた。乾燥した種子を粉にして水に溶かし,好みにより砂糖やはちみつ,ミルクを加えて飲用する。エキスを利用した飲料はコカ・コーラ(商品名)等により世界的に普及した。ガーナ,ブラジルが主産地で,近年西アフリカ地方の主要産物の一つとして,乾燥種子が欧米に輸出されるようになった。繁殖は新鮮な種子を用いて実生による。なお,近縁のヒメコーラC.acuminata Schott et Endlicherからもコラナッツが得られ,輸出されるものにはこれが混ざっている。ヒメコーラが真正のコーラであるとする説もある。
→コーラ飲料
執筆者:星川 清親
アフリカの撥弦楽器。セネガル,ギニアなど,主として西アフリカのサバンナ地帯に分布する。別名エコロ。大きなヒョウタンから作る半球形の胴体と長い棹をもち,その上に弦を張る。さまざまな大きさのものがあり,弦も5~6本のもの,16本のもの,21本のものなど,いくつかのタイプがある。棹の先端にブリキ片などをつけ,弦の振動とともに共振させるように工夫したものもある。通常,演奏の際はヒョウタンの胴体を自分の体につけ,棹を前方に突き出すような形で構え,胴体の上に出ている2本の棒を両手で持って楽器を支えながら,両手の指で弦をかき鳴らす。歌の伴奏として,あるいは合奏のなかで使われる。歌の伴奏に用いる代表的な例として,口承文芸の伝承者であるグリオによるものがある。弦楽器の伴奏による吟遊歌人の例は,アフリカ以外にも広くみられる。
執筆者:桜井 哲男
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…これに対し,プラトンにはギリシア思想としてはきわめて異例ともいえる宇宙創成の原理が見いだせる。とくに《ティマイオス》に顕著なこの原理は,宇宙の制作者としての神(ギリシア語dēmiourgos)が,〈ウーシアousia〉を父として,〈コーラchōra〉を母として,子たる宇宙が生まれるという形で表される。ウーシアはイデアたる〈真実有〉であり,コーラは質料,素材に相当する〈空間〉である。…
…16世紀初めにはソンガイ帝国の支配下に置かれたが,16世紀末にはその支配を逃れ,各都市はサハラ砂漠南縁に位置することによって,長距離交易の終結点として商業的繁栄をみせた。ハウサはみずから商人として交易に従事したが,南の森林地帯で産出するコーラの実交易の独占に特徴があった。コーラの実はサバンナの住民にとってかんで楽しむ嗜好品として貴ばれたが,同時に贈物などに用いられる大事な品であった。…
※「コーラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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