ヒルデスハイムの遺宝(読み)ヒルデスハイムのいほう

改訂新版 世界大百科事典 「ヒルデスハイムの遺宝」の意味・わかりやすい解説

ヒルデスハイムの遺宝 (ヒルデスハイムのいほう)

ドイツ北部,ニーダーザクセン州のヒルデスハイム近郊で,1865年射撃場建設に際して出土した帝政ローマ時代の62個の銀製食器総称。第2次大戦前はベルリン国立博物館,現在は同市の博物館に所蔵される。その約半数には重さと所有者の刻銘があり,それらの食器は本来は複数の人の持物であったが,ローマ高官の手に渡り,前9年の当地方の戦争勃発前に土中に埋められたことが判明した。製作地はイタリア,ガリア,ライン川流域にわたっているが,器面に打ち出された植物文,動物文,それに神像はいずれもヘレニズム美術後期の様式を反映した古典主義的傾向が強く,このためアウグストゥス時代に作られたものであることが明らかとなった。当時の銀製品は,ポンペイヘルクラネウムボスコレアーレなど限られた場所からしか出土しておらず,とくに同時代の異なる製作地の銀器が良好な保存状態でまとまって出土したことで,帝政初期の工芸美術の研究にとって貴重な資料となった。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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