ビオレ・ル・デュック(読み)びおれるでゅっく(その他表記)Eugène Emmanuel Viollet-Le-Duc

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビオレ・ル・デュック」の意味・わかりやすい解説

ビオレ・ル・デュック
びおれるでゅっく
Eugène Emmanuel Viollet-Le-Duc
(1814―1879)

フランスの建築家、美術史家。パリ生まれ。中世建築史研究の先駆者である彼の該博知見は、青年時代(1835~39)のフランスからイタリアにわたる丹念な調査旅行によるところが大である。その成果に着目したメリメ作家として有名だが、1834年から文化財視察官に任ぜられていた)は1840年、当時26歳の彼にベズレーのラ・マドレーヌ修道院聖堂の修復を委嘱した。以来サン・ドニ、アミアンなどフランス中世建築の多くが彼の手で修復されるようになった。こうした実地における調査復原を通じて建築様式の諸要素についての理論的研究をさらに深め、『11~16世紀フランス建築精解辞典』その他の多くの著作を残した。

[濱谷勝也]

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