ビザンチン神学(読み)ビザンチンしんがく(その他表記)Byzantine theology

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビザンチン神学」の意味・わかりやすい解説

ビザンチン神学
ビザンチンしんがく
Byzantine theology

ビザンチウム (コンスタンチノープル) を中心にして発展した東方正教 (→ギリシア正教 ) 会のキリスト教神学ゲルマン民族の侵略をはなはだしくはこうむらなかったため古代キリスト教との関連が中絶することなく継続し,古代精神文化との接続もあり,皇帝なども神学にかかわることが多かった。教義学においては4~9世紀にキリスト論争が盛んとなり,続いてイコノクラスム論争があり,9世紀以後はローマ教会との関係がおもな論争となった。西方ローマ教会とのおもな相違点は,受洗の仕方,ミサ用のパン,聖体授与の方法などのほか,教義上ではローマ教皇の首位権の否認,フィリオクェ条項 (→聖霊発出論争 ) の否定,煉獄の存在の否定,無原罪の懐妊の否定などである。その他の点ではローマ教会の神学に近いが,これは 1054年の東西のキリスト教会の決定的分裂までさまざまな公会議において共通の敵にあたってきたためである。現在ロシア正教会,ギリシア正教会などを含む東方正教会は教会合同運動 (→エキュメニズム ) に積極的に参加している。

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