ローマ教皇(読み)ローマキョウコウ

デジタル大辞泉 「ローマ教皇」の意味・読み・例文・類語

ローマ‐きょうこう〔‐ケウクワウ〕【ローマ教皇】

教皇

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共同通信ニュース用語解説 「ローマ教皇」の解説

ローマ教皇

キリスト教の最大教派で世界に13億人の信者を抱えるローマ・カトリック教会トップの指導者。地上でのキリスト代理人と位置付けられ、初代はキリスト12使徒の筆頭ペテロとされる。カトリックの総本山バチカン市国元首として立法、行政、司法全権行使教会の中央最高機関であるローマ教皇庁を統治する。現教皇フランシスコはアルゼンチン出身で266代目。ロシアによるウクライナ侵攻を批判し、ゼレンスキー大統領とも電話会談している。(ローマ共同)

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精選版 日本国語大辞典 「ローマ教皇」の意味・読み・例文・類語

ローマ‐きょうこう‥ケウクヮウ【ローマ教皇】

  1. 〘 名詞 〙きょうこう(教皇)

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ローマ教皇」の解説

ローマ教皇(ローマきょうこう)
Papa[ラテン],Pope[英]

ローマ・カトリック教会の最高位の聖職者。イエス・キリストから信者の司牧を委託されたペテロがローマで殉教したことから,ローマ司教が首位権を主張した。コンスタンティノープル大司教らの存在によって,ローマの首位権は容易には確立されえなかった。レオ1世(在位440~461)がローマ教皇の裁治権を強化し,グレゴリウス1世(在位590~604)がローマ司教をして西欧キリスト教の主導者たらしめる教皇体制の基礎を置いた。教皇の呼称もこれ以後に始まる。教皇庁と緊密に提携したフランク王国が9世紀前半に瓦解し始めるとともに,教皇権も危機的様相を呈した。特に10世紀に入ると,教皇職はイタリアの地方的紛争に巻き込まれ,世俗政治に左右されて腐敗した。しかしレオ9世(在位1048~54)からインノケンティウス3世(在位1198~1216)の時期に,教皇権は未曾有の最盛時を迎えた。その前半期には,いわゆるグレゴリウス改革によって俗権と激突してこれを破り,その後半期には広範な宗教運動によって聖界の刷新を成就した。他方,しだいに台頭する国民国家と世俗思想の形成は,ボニファティウス8世の「アナーニ事件」(1303年),クレメンス5世に始まる「アヴィニョンの捕囚」(1309~77年),それに続く教会の大分裂(1378~1417年)となって現れ,教皇権は急速に失墜していった。ルネサンス教皇たちの道義的退廃は,やがてプロテスタント宗教改革に打撃を受けたが,カトリック教会は,イエズス会による信仰指導と教育,トリエント教会会議による教義の明確化に大きな成果をあげてそれ自身を再建しえた。しかし18世紀には凡庸な教皇が続き,イエズス会すら教皇によって解散させられた。教皇職はピウス7世(在位1800~23)によって,しばらく西欧世界の潜在力の一要因となりえたものの,教皇領は失われた(1870年)。それがピウス11世による1929年のラテラノ協定ヴァチカン市国として再建されてからも,教皇座の政治力は昔日のおもかげを失った。しかし第2回ヴァチカン教会会議(1962~65年)は,教皇職の新生を示す世界史的な出来事である。

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旺文社世界史事典 三訂版 「ローマ教皇」の解説

ローマ教皇
ローマきょうこう

教皇

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知恵蔵 「ローマ教皇」の解説

ローマ教皇

「ローマ法王」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のローマ教皇の言及

【アンチキリスト】より

…黙示文学では,エルサレムを荒らしたアンティオコス4世が終末時の敵の原型とされ,さらにローマ皇帝ネロやドミティアヌスもそのようにみなされた。宗教改革者はしばしばローマ教皇をアンチキリストと呼んだ。ニーチェの書《アンチキリスト》はみずからをそれに模してキリスト教道徳を攻撃したものである。…

【イタリア】より

…この結合は,カロリング朝断絶後弱まったが10世紀のオットー1世以降ふたたび強化された。カロリング家のピピンによって半島の旧ビザンティン領がローマ教皇に寄進され,教皇領の基礎がつくられたことも重要である。西ヨーロッパ全域に影響力を持つ宗教的権威が世俗的領域的な権力として半島内に存在することは,その後の歴史に大きな影響を及ぼした。…

【教皇】より

…〈ローマ教皇〉〈ローマ法王〉ともいい,単に〈法王〉と記すこともある。ローマ司教,イエス・キリストの代理者,使徒ペテロの後継者,全カトリック教会の最高司祭,西欧総大司教,イタリア首座大司教,ローマ管区首都大司教,バチカン市国元首。…

【皇帝教皇主義】より

…皇帝Caesar,Kaiserが同時にローマ教皇Pope,Papstでもあるという原則,つまり,精神界をつかさどる教会の最高権威が,俗界の長たる国家の最高権力者の手中に握られているような国家・教会関係を示す造語として,18世紀以来使用され,本来,4世紀以後のローマ帝国(ビザンティン帝国)を対象とするものであったが,のちには,1917年までのロシア国教会,中世初期のカール大帝のフランク王国,近代のカトリック専制国家,領邦君主が自国のプロテスタント教会の最高司教の地位にあったドイツ・プロテスタント領邦国家などにも拡大適用された。 19世紀カトリック歴史家によってしばしば用いられたことからもわかるように,この概念はもともと,中世西ヨーロッパで叙任権闘争を通じて典型的に出現したような,ローマ教皇が神聖ローマ皇帝に対し優越する権威を主張した国家・教会関係(教皇皇帝主義Papocäsarismus)の反転像を示そうとしたものである。…

【橋】より

…しばしば橋のたもとには門番のための館や旅人のための宿,小聖堂が建てられており,ときには橋の上に小売屋台が並んでいる場合もあった。 ローマ教皇の正式名称は最高の司教Pontifex maximusであるが,このPontifexとは橋を架ける人の意であり,古代ローマにおいて国家祭祀のなかで重要な位置を占めていた橋を架ける人Pontifexの名称が国家の長の名称となり,教皇もその称号を用いることになったのである。橋は地上から天国に至る道ともみられていた。…

※「ローマ教皇」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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